AI(人工知能)でECサイトはどう変わる?
AI(人工知能)は、現在積極的に研究・開発が行われている注目の分野です。さまざまな業界・業種においてAIの活用が進められており、EC業界も例外ではありません。
そのため、EC業界・ECサイトにおけるAI活用の動向・傾向や実際の活用方法について知りたい方もいるのではないでしょうか。
AIの概要・ECの課題・ECにAIを活用するメリット・実際の活用方法について解説しています。ECサイトでのAI活用に興味がある方や、これからAIを導入・活用してみたいという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
AIとは
AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、一般的には「人間のような知的な情報処理を人工的に再現するためのテクノロジー」のことを指します。従来のコンピュータープログラムとは異なり、「自ら学習ができる」という点が大きな特徴です。
現在のAI分野では、主に以下のような技術が活用されています。
◎ニューラルネットワーク
人間の脳を機械で再現した技術
◎ディープラーニング
AIが自らデータの分析・解析・学習を行う技術
現在の技術では人間に匹敵するようなあらゆる問題を理解できる汎用的なAIはまだ実現されていませんが、特定の分野・領域に特化した特化型AIでは、人間を遥かに凌ぐ能力を発揮するAIが既に登場しています。
ECビジネスでAIを活用するメリット
ECの市場規模は年々拡大し続けており、多くの企業が重要な販路として活用しています。しかし、ECは利便性・効率性に優れている反面、オンライン上に情報・商品が溢れていて比較されやすいことや、販売促進・販売効率向上が難しいことが大きな課題となっています。
そこで近年注目を集めているのが、AIの活用によりECサイトの課題を解決したり、ビジネスの加速に役立てたりする方法です。
ここでは、ECサイトが抱える課題を踏まえつつ、AIを活用するメリットについて解説します。
マーケティングへの活用と業務効率の向上
ECはその利便性の高さ・効率性の高さから今や誰もが利用する巨大なマーケットを形成しています。しかし一方で大量の情報やモノが溢れていることから、ユーザーにとって不要な情報も多くなってしまい、快適なショッピングを楽しめないユーザーが多く存在している事情もあります。
このような状況下では、サービスの提供側であるECサイトはいかにユーザーの手間やストレスを減らして快適な購買体験を提供するかが重要です。AIを活用すれば、データを活用しておすすめの商品を提案したり、自動接客によりユーザーの購買体験のサポートを行ったりといったマーケティング活動が可能になります。
また、データの分析・改善やマーケティング業務を代替させることにより、EC事業者の業務効率を大幅に向上することも可能です。ECとAIは非常に相性が良く、ECが抱える多くの課題を解決してビジネスを加速できることが、AIを導入・活用する大きなメリットとなります。
マーケティングへの活用については次の章でより詳しくご紹介します。
分析や予測への活用
ECサイトを成長させていくには、顧客の興味・関心・趣味・嗜好・行動傾向からマーケットの現状・動向・将来の予測など、多種多様で大量の情報を分析していく必要があります。
これらを人の手で行うと膨大な時間と労力が必要となりますが、情報分析や未来予測をいかに高い精度で行うかがECサイトの売上を大きく左右するため、EC事業者は否が応でもリソースを注ぎ込む必要があります。
AIが得意とするのは、このような膨大なデータを用いた分析・解析です。AIならいくら大量の情報を分析しても疲弊することはなく、データを蓄積すればするほど高精度なアウトプットを行うことが可能です。
継続的にリサーチ・分析を続けていくECサイトにおいて、AIに業務を代替・支援させることは、大きなメリットとなります。
ECサイトAI活用で何が実現できるか?
ECサイトでAIを活用すれば、さまざまなメリットが得られることが分かりました。しかし、具体的にAIでどのようなことが実現できるのか、どのように活用すれば良いのか分からない方もいるでしょう。
ここでは、ECサイトでのAI活用方法・活用事例についてご紹介していきます。
オンライン接客での活用
AIは、ユーザーからの問い合わせやアクションに対して、人間に近いきめ細やかな対応を行えることから、ECサイトでの接客にも活用されています。
AIを搭載したWeb接客ツールやチャットボットをECサイトへ設置することで、サイト内でのユーザーの行動やユーザーの質問に合わせた最適な接客を提供することが可能です。画像・テキストによる静的コンテンツでの情報提供だけでなく、AI搭載ツールによる動的な接客を加えることで、販売促進や顧客満足度向上に高い効果を発揮することができます。
AI接客はECサイトにおけるAI活用の代表的な手段のひとつであるため、ぜひ意識しておくことをおすすめします。
なお、ここではオンライン接客についてご紹介しましたが、AIを活用した接客はオフラインでも活用されています。AI接客の詳細や事例について、以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてご参考下さい。
売れている商品の分析
ECサイトでは、業界トレンド・ユーザー動向・売れている商品の分析など、データを活用して今後の販促施策や新商品開発に役立てていくことが成功のポイントです。
しかし、膨大なデータを収集して売れている商品・今後売れるであろう商品を分析することは多大なリソースが必要であり、収集したデータを的確に解析・解釈することも容易ではありません。
データの分析・解析は、AIが最も得意とする分野のひとつです。近年ではデータマイニングと呼ばれる膨大なデータをビジネスに役立つ知見へと変換する手法が注目されており、AIを活用したデータマイニングによりECサイトの売れ筋商品の分析や今後の予測を行う事例も登場しています。
高精度な商品のレコメンド
レコメンドとは、ユーザーの趣味・嗜好・行動履歴等の情報から、おすすめの商品を表示する機能のことです。ECサイトにおいては、購入率・客単価の向上に役立つことから、ECサイトのマーケティングには非常に重要な機能となります。
AIを活用すれば、以下のようなさまざまな情報を駆使した非常に精度の高いレコメンドを表示することが可能です。
◎閲覧履歴(サイト内の行動データ)
◎お気に入り商品
◎FAQデータ
顧客の傾向だけでなく業界・競合の情報なども加味した高精度なレコメンドを行うことで、ユーザー自身が気付いていない新たなニーズの発掘も期待できます。
マーケティングでの活用
ECサイトでは、サイト上で住所や氏名などの個人情報や問い合わせ内容、ユーザーの行動履歴といったデータを獲得できます。
従来はこのECサイト上で獲得した情報をもとに、どのような属性がどの商品・サービスに関心を持つのかといった統計的な分析を行い、属性に対してアプローチを行っていました。
しかしAIを活用することで膨大なデータ分析が可能になり、行動履歴や購入結果などをもとに一人ひとりに適したターゲティングを実現できるようになりました。このようにAIを活用することで、よりパーソナライズされた体験の提供が可能になり、ユーザー体験向上に役立ちます。
現代ではECマーケティングの自動化・効率化が可能なAI搭載型のマーケティングツールも登場しており、繰り返しタスクの代替やマーケターの判断・意思決定に貢献することが可能。精度・スピードと効率性を両立したマーケティングを実践できるようになりました。
AIを活用したマーケティングの概要については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてご参考下さい。
在庫管理の最適化
ECサイトでは、ユーザーから見える部分であるサイトデザイン・広告宣伝・情報発信などのフロントオフィス部門が注目されがちですが、サイト運営を根底から支えているのは受発注・仕入・在庫管理・顧客対応・物流といったバックオフィス部門です。特にユーザーに迅速に商品を届けるためには適切な在庫管理が欠かせません。
近年は在庫管理においてもAIの活用が注目されています。従来、在庫数や発注量の管理は従業員の知識や経験によって決められていました。しかしその場合、特定の従業員に業務が集中してしまったり、予測や発注のミスで過剰在庫を抱える・在庫が不足するといった場合がありました。AIを活用することで、過去の売上やユーザーの属性、需要変化などのデータを分析し、人の手による予測よりも正確な需要予測が可能となりました。
AIを在庫管理に活用することで、発注業務の効率化や発注数の精度向上、欠品率の改善といった在庫最適化に役立ちます。
離脱客やかご落ちの防止
ECサイトでは、商品をカートに入れたにも関わらず途中で離脱してしまうユーザーが約7割にものぼると言われています。このような現象は「かご落ち」と言われており、いかにかご落ちを防いで販売効率を高めるかがECサイトの運営においては重要となります。
かご落ち対策には、導線の最適化やプロセスのシンプル化などさまざまな手法がありますが、なかでも効果的な施策となるのが、かご落ちをフォローアップするツールの活用です。ユーザーがかご落ち後に自動でリマインドメールを送ったり、ブラウザを離脱しようとした場合にポップアップで購入を促すなど様々なツールがあります。AIを搭載したフォローアップツールであれば、離脱したユーザーを自動でターゲティングして最適なフォローアップを送信することが可能。高確率で開封・再訪を促し販売へ結びつけることができます。
価格の最適化
ECサイトの大きな欠点と言えるのが、オンライン上で容易に競合サイトと価格の比較が行われることです。多くのユーザーは価格比較を行ったうえで商品の購入を行うため、競合の状況を加味した最適な価格設定・価格調整を行う必要があります。
しかし、常に変化し続ける価格をリサーチし続けるのは膨大な手間がかかりますし、安易な値下げや割引にはリスクが伴うため、適切な価格設定・価格調整を行うのは難しい作業です。
AIを搭載した分析ツールであれば、競合の価格・在庫状況・ユーザーニーズといったさまざまな情報から価格変動の予測を行い、自動的に最適な価格を導き出すことができます。
価格は意思決定の重要な要素であるため、自社の売上・利益を確保するためにAIを活用した価格の最適化を実施する企業は多くあります。
悪質な注文への対策
ECサイトを運営するうえでの大きなリスクのひとつが、未払い・いたずら・詐欺などの悪質な注文です。ある程度の規模のECサイトを運営していると、一定数悪質な注文が交じるため、不正を排除する対策を行い損失を回避することが重要です。
しかし、人の手によるチェックでは、全ての不正を排除することは困難です。膨大な手間と時間を要するため、あまり現実的な対策とは言えません。
そこで重要となるのが、過去のデータや業界の動向などの情報から不正を自動で検知するシステムの導入です。近年ではAIがデータやパターンを解析することにより、高精度で不正を検知できるシステムも登場しており、EC事業者の間で注目されています。
まとめ
EC業界では、現在でも既にAIを搭載したツールが活用されており、今後もECビジネスの成長・加速のために積極的に活用が進められていくことが予想されます。EC業界は競争・変化が激しい業界であるため、競争優位性を発揮して消費者に選ばれるサイトを運営するためには、常にアンテナを張ってAI技術やAI製品のトレンド・動向をチェックしておくことも重要です。
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