ECマーケティングで集客力を向上させるポイント
ECマーケティングで集客力を向上させるポイント
ECマーケティングで売上をあげてビジネスを成長させるためには、まずは自社ECサイトにたくさんのお客さんを呼び込む必要があります。
ここでは、ECマーケティングで集客するために欠かせない施策・集客力を向上させるポイントについてご紹介します。
広告の活用
ECマーケティングの代表的な集客施策は、以下のようなWeb広告の活用となります。コストは掛かりますが適切な設定・運用を行うことで、自社ECサイトに効率的にユーザーを呼び込むことができます。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索エンジンに入力されたキーワードに対する検索結果画面に連動して表示される広告のことです。非常に細かい設定が可能で、運用次第では高いパフォーマンスを発揮できることが特徴です。ECマーケティングで最も活用されている主軸となる広告です。
アフィリエイト広告
アフィリエイトASPを介してアフィリエイターのWebサイトに貼られた広告からユーザーを呼び込むことができる成果報酬型の広告です。コストパフォーマンスの高さが特徴。
SNS広告
SNS広告とは、Facebook・Twitter・Instagram・LINEといったSNS媒体に出稿できる広告です。プロフィールやコンテンツを活用したセグメント配信を得意としており、興味・関心の高そうなユーザーにアプローチできるのがポイントです。
Web広告を活用するポイントは、運用データの効果測定を行い、広告コピー・ターゲティング・セグメント・予算配分について細かく改善を重ねることです。専門知識・労力が必要となりますが、PDCAを繰り返すことでコストパフォーマンスを高めることができます。
コンテンツマーケティング・SEO対策への取り組み
Web広告による集客はコストが掛かるため、使えば使うほど利益を圧迫してしまいます。近年では広告単価も高騰しており、顧客単価が低いビジネスの場合は容易に使用できないケースもあります。
そこで重要となってくるのが、有料のWeb広告に依存しないコンテンツマーケティングやSEOといったオーガニック検索での集客施策です。これらは成果が出るまでに多くの労力と時間が掛かりますが、余計なコストが掛からず一度実施した施策は長期的に効力を発揮することができます。
ECサイト自体に施すSEO対策は、大規模なECサイトでなければ優位性を発揮することは困難であるため、現実的にはオウンドメディアに有益なコンテンツを追加するコンテンツマーケティングがマストな施策となります。
ECマーケティングでCVRを向上させるポイント
CVR(コンバージョンレート)とは、いわゆる成約率のことです。ECマーケティングにおいても他のビジネスモデルのマーケティングと同じく、集めたお客さんにはできるだけ高い確率で購入に至ってもらうことが、ビジネスを成長させるポイントとなります。
ここでは、ECマーケティングでCVRを向上させるポイントについて、トレンドの手法を踏まえつつご紹介します。
サイト内検索の利便性向上
ユーザーが商品を探す際に活用するサイト内検索機能は、ECサイトのユーザビリティを向上するためには必須といってもよい機能です。しかし、多くのECサイトでは、サイト内検索機能をただ設置しているだけでユーザーに有効活用されておらず、利便性低下や大きな機会損失を招いていることが実状です。
そこでおすすめとなる施策が、次のようなサイト内検索の利便性向上です。
▶サジェスト表示・入力アシスト機能の実装
▶表記ゆれ修正機能の実装
▶外部システム活用による検索結果表示の高速化
▶マッチング精度・検索精度の向上
他のマーケティング施策と同じく、サイト内検索の利用データを集めてPDCAを回すことで、より利便性の高いサイト内検索機能を提供することができます。
売上上位のECサイトでもサイト内検索が有効活用されていないケースは非常に多いため、いち早く利便性向上施策に取り組めば、CVR向上をはじめとした大きな成果に結びつけることができます。
UIの改善
UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーとWebサイト(ECサイト)を繋ぐ接点のことで、ECサイトを訪問したユーザーから見える部分・操作できる部分全般のことを言います。UIはECサイトにおいても回遊率・離脱率・CVR・客単価といったさまざまな部分に大きな影響を与えます。
ただし、ただ単にオシャレなデザインやトレンドのデザインを取り入れても成果に繋がるとは限りません。そのため、CVR向上をはじめECサイトで成果を出すためには、ターゲットとなる顧客層や商材の特性を踏まえてUIの継続的な改善を施し、常にベストプラクティスを模索し続ける姿勢が重要です。
レコメンド機能の活用
レコメンドとは、直訳すると「おすすめする」「推奨する」という意味を持つワードで、レコメンド機能(レコメンドエンジン)とは名称の通りECサイト・Webサイト・Webメディアを訪れたユーザーに、おすすめの商品やサービス、コンテンツを表示するツールです。
ECサイトで用いられるレコメンドエンジンは、ユーザーの閲覧履歴・行動履歴・購入履歴といった情報を活用して、一定のルールに基づいてユーザーの興味・関心に繋がるような商品やコンテンツを表示することができます。
ECマーケティングでレコメンドエンジンを活用することで、購入に繋がりそうな商品とユーザーの接触率を高めることができるため、効果的にCVRを向上させることが可能です。また、アップセルやクロスセルにも適した機能であるため、客単価アップも期待できます。
レビュー機能の活用
ECサイトはオンラインで手軽に商品を購入できる反面、実物を手に取ってみることができないという点がネックです。ECの普及・一般化によりユーザーのリテラシーも高まっているため、商品説明や対応品質を向上させても容易には信用してもらえない現実があります。
そこでおすすめとなる施策が、レビュー(口コミ)機能の活用です。ユーザーの生の意見であるレビューを掲載することで、ECサイトの信頼性を高めてCVRを向上させることができます。また、投稿されたレビューはサービス改善のヒントとなるため、PDCAを回すことでECサイトをブラッシュアップすることも可能です。
実際にECサイトでレビューを参考にするユーザーは7割を超えると言われており、今後レビューを活用していないECサイトは生き残れないとの意見もあります。CVRを向上させることはもちろん、ECビジネスを成長・存続させるためにも、レビュー機能はぜひ活用しましょう。
Web接客ツールの活用
Web接客ツールとは、WebサイトやECサイトにチャットボットを設置して、ユーザーに合わせた提案・情報提供・サポートを提供することができるツールです。
ECサイトにおいては、クーポン提示・会員登録の提案・情報提供・問い合わせ対応といった、ユーザーの購買行動の利便性向上や満足度向上に繋がる接客を行うことで、CVR向上や離脱率低下に貢献することができます。
ECサイトは実店舗のようにスタッフと直接コミュニケーションができないため、ユーザーは不安点・疑問点を解消できない点が大きな弱点とされていました。
Web接客ツールを導入すれば、きめ細やかな接客でECサイトのデメリットを払拭できるため、活用方法次第で大きな成果を期待することができます。
Amazonペイなど利便性の高い決済方法の導入
自社ECを運営している場合は、訪れたユーザーに会員登録・商品購入を行って欲しいのが本音だと思います。しかし、一般的に多くのユーザーはアカウント管理の手間が増えることや個人情報入力の手間がかかることから、会員登録を嫌がる傾向があるのが実状です。
そこでおすすめとなる施策が、楽天ペイ・Amazonペイといった決済方法の導入です。これらの決済方法が導入されているECサイトでは、ユーザーは楽天・Amazonのアカウントを所有していれば、新規会員登録することなくそのアカウントでログインから決済までを行うことができます。
楽天・Amazonのアカウントは多くのユーザーが所持しており、会員登録・個人情報入力の手間を省くことができるため、商品購入のハードルを下げてCVR向上に繋げることができます。
ECマーケティングでリピート率を向上させるポイント
ECマーケティングでは、一般的なマーケティングと同じくリピート率を向上させてLTV(顧客生涯価値)を高めていくことが、売上拡大・売上安定化の肝となります。
ここでは、ECマーケティングならではのリピート率を向上させるための施策・ポイントについてご紹介します。集客施策・販売施策と併せてぜひチェックしておいて下さい。
メールマガジンなどで継続的なアプローチ
顧客のメールボックスに直接メッセージを届けることができるメルマガは、ECマーケティングにおいて欠かせない重要な施策のひとつです。定期的に配信することで、ユーザーに継続的なアプローチができるため、リピート促進・リピート率アップに高い効果があります。
メルマガ配信は既に多くのECサイトが実施している基本施策となりますが、より高い成果を得るにはユーザーの属性や購入履歴に合わせてパーソナライズされたメルマガを配信することがおすすめです。
例えば、おおまかな年齢・性別でセグメント分けしたメルマガ配信を行うだけでも、全体を対象とした配信よりも内容の具体性・訴求力は大幅に高まり、メルマガの反応率も高くなります。更に細かく踏み込めば、より高い成果を得ることができるでしょう。
SNSなど他のチャネルが発達した現代においても、メルマガ配信は有効です。パーソナライズされた本気度の高いメルマガを配信して、リピート促進・リピート率アップに繋げましょう。
リマーケティング広告の配信
リマーケティング広告とは、Webサイト・アプリ・動作サイト等の訪問履歴・利用履歴があるユーザーを対象に広告を配信して、再訪問を促す広告配信手法のことです。リスティング広告・SNS広告といった各種Web広告に備わった機能を利用して配信することができます。
ECサイトでカートに商品を入れたものの購入に至らないユーザーは7割以上と言われており、EC業界ではよく「カゴ落ち」と呼ばれています。リマーケティング広告は、一度商品購入を検討した熱量の高いユーザーに再訪問を促すことで、非常に高い効果があるとして注目されています。
また、未購入者の再訪を促すだけでなく、一度商品を購入したユーザーにも配信を行うことで、再訪問・再購入・リピートの促進を期待することもできます。
リマーケティング広告は、新規顧客獲得よりもコストパフォーマンスに優れているため、ECマーケティングを実践するうえで必ず活用しておきたい施策のひとつです。
ECマーケティングの課題点とは?
ECマーケティングは、取り組まなくてはならない施策が非常に多く、手法や施策も高度化しているため、相応のスキル・ノウハウ・リソースを用意しなければなかなか成果に繋げることができないのが実状です。
また、施策を実施したからといって必ず成果に繋がるとは限らず、ビジネスの状況や競合の動向によっては期待した成果が得られないケースもあります。
ECマーケティングはこのような課題点に常に留意しなければならないため、ECサイト事業者は本腰を入れて継続的に取り組める体制を整えることが必要となります。
ECマーケティングは戦略が重要
ECマーケティングは業務範囲が広く個々の業務の難易度が高いため、成果に繋げるためには明確かつ具体的な目標とそれを実現するための戦略設定が非常に重要です。目指すゴールがブレていては達成するための道筋も定まらず、適切な施策を行うこともできません。
目標・戦略を設定する際には、以下の点に留意することがポイントとなります。
KGIを設定する
KGI(Key Goal Indicator)とは、重要目標達成指標のことで、ビジネスが目指すゴールとなります。例えば、「売上3,000万円」「前期より売上〇%向上」といった最も大きな目標がKGIとなります。
KPIを設定する
KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標のことで、目標達成のプロセスを具体化・定量化した指標となります。上記のKGIを例に挙げると、それを細分化したPV・CTR・CVR・CV・CPAといった指標がKPIとなります。
KSFを設定する
KSF(Key Success Factor)とは、重要成功要因のことで、KGI・KPIを達成するための具体的な方法を定めることです。KGI・KPIを実行レベルに落とし込んだ指標となります。
ECマーケティングの目標・戦略を決める際には、上記のような指標を用いて具体的な数値を設定することが非常に重要です。
数値を用いることで、目標達成のための現実的なプロセスの設定・マイルストーンの設定・効果測定を行うことができるため、これらをもとにPDCAを回すことでECマーケティングの成功確度を高めることができます。
まとめ
EC業界は年々右肩上がりで成長を続けている業界ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、ECサイトの新規立ち上げ・リニューアルが積極的に行われるなど、これまで以上にECサイトの活用は高まっています。
多くのECサイトが競合するなかでビジネスを成長させるためには、ECサイト特有の「ECマーケティング」についての理解を深め、自社の現状・課題・目的を踏まえた効果的な戦略を立てることが非常に重要です。
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