ECサイトの売上をアップさせる、「刺さるキャッチコピー」の作り方
ECサイトの売上を伸ばすにあたって欠かせないもののひとつに、消費者の感情を刺激する「キャッチコピー」があります。
しかし、いくら推敲を重ねて自分なりに良いコピーが作れても、それが消費者心理に刺さるとは限りません。
コピーを変えても「お客様の反応が良くならない」「CV(コンバージョン)につながらない」とお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回はキャッチコピーをブラッシュアップするとどのようなメリットがあるのか、またどのようにキャッチコピーを作ればいいのかを具体的にご紹介していきます。
ECサイトのパフォーマンスを上げたい担当者の方は、参考にしてみてください。
キャッチコピーとは
まずはキャッチコピーとはなんなのか、ECサイトにおいてキャッチコピーがどれだけ重要なのかを確認していきましょう。
あらためてキャッチコピーの役割をおさらい
広告やWebサイトに使われるシンプルな謳い文句のことを「コピー」といいます。
コピーには1行、1文の短いものから数行に至る文章までさまざまありますが、その中で見る人の注意や興味を「引く(キャッチする)」役割を担うのがキャッチコピーです。
インターネット上を含め世の中には広告やECサイトがあふれるほどあり、その中で消費者は「自分がこれから見るに値するもの」をほんの数秒で判断しています。
どんなにいい商品やサービスをどんなに優れた文章で紹介・説明していても、ページを見た一瞬の間に注意を引かなければ購入するかどうかの検討さえしてもらえません。
ユーザーが商品を購入するきっかけを作るファーストステップ、言い換えれば引き込むための「第一関門」がキャッチコピーといえるでしょう。
キャッチコピーが優れていると具体的に何が良くなる?
キャッチコピーをブラッシュアップすると、ECサイトには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず、CTR(クリック率)が上がります。
さまざまな類似商品がある中、ユーザーがわずか数秒で興味の有無を判断していることはお伝えしました。
材料(情報)が少ない状況で判断するということは、ひとつの材料(情報)が持つ重要度が高くなるということ。
その商品について詳しく知りたいと思わせる「動機付け」に、キャッチコピーは大きく影響しているのです。
もう一つのメリットはCVR(コンバージョン率)の向上です。
キャッチコピーの訴求力が弱いとすぐに離脱されたりそもそもクリックしてもらえなかったりするので、ECサイトでユーザーを購入まで導くには大きなインパクトが必要です。
「○万人が成功」「○%が満足を実感」など、事実に即した形でインパクトのある表現を意識しましょう。
キャッチコピーとページ内のコンテンツ(商品説明文やスペックなど)に乖離がなければ、CVRの向上が見込めます。
ECサイトだとキャッチコピーはどこに入れる?
キャッチコピーの役割はユーザーの注意を引くことなので、ページの目立つところに配置します。
ファーストビューにあるタイトルやh1タグはもちろん、広告バナーにも入れると効果的です。
キャッチコピーは内容だけでなく「どこに配置するか」も重要なポイントなので、もっとも効果的なポイントをデザイナーなどと検証しましょう。
キャッチコピーを考える上で大切なこと
次は、実際にキャッチコピーを作っていく上で重要なポイントについて見ていきます。
商品の「STP」を整理する
数ある商品の中で、売りたい商品がどのような位置づけにあるのかを整理してみましょう。
STPは、「S:セグメンテーション(市場の分類)」「T:ターゲティング(標的市場の選定)」「P:ポジショニング(市場における位置取り)」のことです。
要は、ユーザーのどのようなニーズを満たす商品なのか、競合とはどのような点で差別化されているのか、その差別化はどのようなユーザーに求められているのかを分析して客観視するのです。
他にも、ユーザーがどのような流れでサイトに行き着き、他の商品とどのように比較し、どのように購入を決めるのかも考えてみましょう。
ユーザーの行動心理が把握できれば、どのようなポイントをアピールすべきかが見えてくるはずです。
「メリット」ではなく「ベネフィット」を訴求する
キャッチコピーでアピールすることは、メリットではなくベネフィットであるべきです。
メリットとは、その商品の特長や長所のことです。
それに対してベネフィットは、ユーザーがその商品を使ったことによって得られる利益のことです。
例えば、「高級感があること」は商品のメリットです。
一方で、「高級感があるから大人な印象を与える」はベネフィットになります。
「電動ドリルを買いにくる人が必要としているのは、ドリルではなく穴である」という有名な格言がありますが、ユーザーが本当に求めているものが何なのかを考えてキャッチコピーに落とし込みましょう。
ペルソナを設定する
ターゲットに関してもあらためて考えてみましょう。
ECサイトの運営ではターゲットを年代や性別でセグメントしている方が多いですが、より細かくターゲットを想定しましょう。
架空の人物を想定してターゲットを絞ることを「ペルソナを設定する」といいます。
このペルソナがリアルに想定できればできるほどターゲット像が具体的になり、そのペルソナに購買アクションを起こしてもらいやすいキャッチコピーが作れます。
どんな街に住んでいて、どんな生活をしている人なのか、どんな仕事でどんな趣味を持っており、好きなものにどれくらいお金を使うのか――できるだけ細かく設定してみてください。
スペックや行動パターンだけでなく、性格や考え方といった内面(性格)についても設定していきましょう。
訴求ポイントをペルソナに伝わりやすいように言い換える
先に紹介した「商品のアピールポイント」と「ペルソナ」を組み合わせて考えていきましょう。
ECサイトのターゲットによって、刺さるキャッチコピーはまったく違います。
同じ商品、同じ訴求ポイントでも、ターゲットが異なればキャッチコピーの作り方も大きく変わるのです。
同じことを言っていても、丁寧な表現を用いるかフランクな表現を用いるかで印象は大きく変わってきます。
どちらがいいというわけではなく、想定するユーザーならどちらが刺さるのかを考えてみましょう。
また、商品のよさを論理的にアピールするのか、感情的に訴えるのかも大きな違いです。
よく「男性はロジック、女性はエモーション」などと言いますが、男性でも衝動的に買う方もいれば、女性でもロジックが響く方はいます。
商品のジャンルによっても、ユーザーに購入の動機を与えるポイントは変わってきます。
あなたが設定したペルソナにはどちらが刺さるのか、しっかり吟味してください。
他にもさまざまな細かいポイントで、キャッチコピーの印象は大きくは変わります。
最初に「いい!」と思ったキャッチコピーが必ずしも刺さるとは限りません。
重要なのは、本当にターゲットに刺さっているかを確認しながら試行錯誤していくことです。
少しずつ変えながら反響を確認し、より良いキャッチコピーへと仕上げていきましょう。
まとめ
ECサイトは、実際に商品を見ることも触ることもできない中で購入へと誘導しなければいけないため、キャッチコピーが持つ重要度はとても大きくなります。
キャプションとともに商品のイメージを決定づける情報になるため、ECでの売上アップを実現させるために不可欠な存在といえるでしょう。
ECサイトのキャッチコピー作りにはさまざま方法やテクニックがありますが、最も大事なのは「ターゲットのニーズや行動心理をいかに理解するか」です。
一人の人間が思い浮かべられるほど細かくペルソナを設定し、そのペルソナを思い描きながらキャッチコピーをブラッシュアップしてみましょう。
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